ファッションに流行りが回ってくるように、流行して数年後に再び話題となるダイエットもあります。
特に最近、「ケトジェニックダイエット」という減量法が海外を中心に再度流行り始めているのを知っていますか?
ケトジェニックダイエットに再び注目が集まっている理由は、多くのセレブが実践しており、かつ「体脂肪が燃えやすい体になる」という効果を期待できるからのようです。
ここではケトジェニックダイエットの詳細と、どのような人に向いているかを解説します。
ケトジェニックダイエットとは?
「ケトジェニックダイエット」とは、体に「ケトン体」と呼ばれる物質を生成させることで減量を目指すものです。
体にケトン体を生成させることでダイエットができる理由を説明する前に、そもそも「ケトン体」とは何かを説明しましょう。
ケトン体とは?
ケトン体とは、脂肪が分解・燃焼された後、エネルギーとして使われたときに肝臓で作られる物質のことです。
脂肪が分解・燃焼されてエネルギーとして使われるのは、人間のメインエネルギー源であるブドウ糖が不足したときです。
つまり、ケトン体は、体内にブドウ糖が少なくなったときに作られる物質なのです。
ケトン体の働きがダイエットをサポートする理由
体にケトン体を生成させることで減量を目指せるのは、脂肪燃焼効果を期待できるからです。
ケトン体は、ブドウ糖の代替エネルギー源となる物質でもあります。
私たち人間は、ブドウ糖が不足したときにはケトン体をエネルギー源として使うことができる、と言い換えることができます。
ケトン体が体内で作られているときは脂肪が積極的に分解されるため、効率良く体脂肪を燃やすことができる、というわけなのです。
糖質制限ダイエットとの違い
ケトジェニックダイエットで減量を目指すには、まず肝臓にケトン体を生成させる必要があります。
肝臓にケトン体が作られるのは、体内のブドウ糖が少なくなったときです。
つまり、ケトジェニックダイエットでは、糖質の摂取を控えることが求められます。
ここで、「糖質の摂取量を控えて行うダイエットということは、糖質制限ダイエットと同じでは?」と感じた人もいるかもしれませんね。
しかし、ケトジェニックダイエットは糖質制限ダイエットとは異なります。
糖質制限ダイエットは、必要に応じて炭水化物の量を減らす方法で減量を目指すダイエットです。
一方、ケトジェニックダイエットは、糖質を含む食材は極力控えなければなりません。
そして、ケトジェニックダイエット中に摂取して良い食材や控えるべき食材も細かく決められています。
糖質制限の厳しいルールと摂取して良い食材のルールが細かいところ が、ケトジェニックダイエットの特徴といえるでしょう。
糖質制限についてはこちらの記事に詳しく記載されているので、併せて参考にしてください。
糖質制限はほんとにいい?メリット、デメリットをすべてお伝えします。
ケトジェニックダイエットのやり方
ここで、ケトジェニックダイエットの具体的なやり方を説明しましょう。
ケトジェニックダイエットの基本ルール
ケトジェニックダイエットでは、まず体内のブドウ糖を減らし、脂肪を分解・燃焼させるときにケトン体を生成する体を作っていきます。
このため、ケトジェニックダイエット中は基本、脂肪分の多い食材を摂っていく必要があります。
また、体を構成するたんぱく質も摂取していきます。
しかし、体内のブドウ糖を減らさなければならないので、当然糖質の摂取は控えます。
海外のダイエット情報を発信しているメディア・Women’s Healthでは、ケトジェニックダイエット中に脂肪とたんぱく質、糖質から得るエネルギーの比率を次のように説明しています。
While everyone’s body and needs are slightly different, that typically translates to: 60 to 75 percent of your calories from fat, 15 to 30 percent of your calories from protein, and 5 to 10 percent of your calories from carbs.
(人によってわずかに異なるが、摂取エネルギー量の合計のうち60~75%を脂肪、15~30%をたんぱく質、5~10%を糖質から摂取するのが一般的である)
上記の比率に沿って食事を摂ることで肝臓にケトン体が作られやすく、かつ脂肪も効率良く燃やせるのだそうです。
ケトジェニックダイエット中に摂って良い食材と控えるべき食材
ケトジェニックダイエット中は、脂肪分が多い食材やたんぱく質を含む食材をメインに摂るといっても、具体的にどのような食材を摂れば良いか分からないこともありますよね。
具体的には、次のような食材を摂ると良いといわれています。
摂って良い食材 | 控えたい食材 | |
---|---|---|
果物 | ラスベリー/ブルーベリー/ブラックベリー | リンゴ/バナナ/オレンジ/ぶどう/スイカ/ピーチ/パイナップル/メロンなど |
野菜 | カリフラワー/ブロッコリー/ホウレン草/パプリカ/セロリ/きゅうり/ナス/アスパラガス/アボカド/サラダ菜 | 根菜類(人参など)やイモ類(じゃがいもなど) |
魚 | マグロ(生もしくはツナ缶)/サーモン(生もしくは鮭缶)/サバ | |
肉 | 牧草で育てられた牛の肉/オーガニックチキン/ボーンブロス(牛・豚・鶏などの骨のだし汁) | |
乳製品 | アーモンドミルク/ココナッツミルク/ヘンプミルク(麻の実を原料としたミルク)/脂肪分の高いチーズ/サワークリーム/クワルク(ヨーロッパ地方で製造されているフレッシュチーズ)/ギリシャヨーグルト | スキムミルク/スキムモッツアレラチーズ/脂肪ゼロヨーグルト/クリームチーズ/低脂肪チーズなど |
脂 | アボカドオイル/ココナッツオイル/ヘーゼルナッツオイル/エキストラバージンオリーブオイル/ギー(牧草で育てられた牛の乳で作られたバター) | キャノーラ油/グレープシードオイル/ごま油など |
調味料 | ニュートリショナルイースト(糖蜜で発酵させた酵母) | ハチミツ/メープルシロップ/きび糖/ケチャップ/バーベキューソース/ドレッシングなど |
スナック | シーウィードスナック(乾燥海苔)/オリーブの実/ピスタチオ/亜麻の実/チアシード | キャンディ/チョコレート/ケーキ/アイスクリーム/プリン/クッキーなど |
穀物 | お米/シリアル/パン/パスタ/オートミール/グラノラなど | |
豆類 | ブラックビーンズ/キドニービーンズ/大豆など | |
飲み物 | ビール/甘口のワイン/ジュース/スムージー/ソーダ/加糖タイプの紅茶やコーヒーなど | |
その他 | 卵 |
※ The Keto Diet Grocery List That Will Make Your Life So Much Easier(Women’s Health)とWhat You Can (and Can’t) Eat on a Keto Diet(Good Housekeeping)を元に作表
こうして見ると、摂取して良い食材と控えるべき食材がかなり細かく設定されていることが分かりますね。
このため、ケトジェニックダイエット中の外食は難しいかもしれません。
上記の食材を使った食事を自分で作って食べるようにすれば、ケトジェニックダイエットをスムーズに実践できるでしょう。
ケトジェニックダイエットの注意点
摂取する食材が限定されるケトジェニックダイエットには、実施するうえで念頭に置いておきたいことがあります。
ケトジェニックダイエットを実践すると脂肪が燃えやすい体を作ることは可能になりますが、糖質の摂取を控えなければならないため、体質によっては次のような不調が起こる恐れもあるそうです。
- 倦怠感
- 吐き気
- 頭痛
- 下痢
ケトジェニックダイエットを実践してケトン体が作り出されるには、人によって異なりますが3~4日程はかかるそうです。
このため、最低3日はケトジェニックダイエットで摂るべき食材を取り入れた食事を摂った方が良いのですが、不調を感じたら止めましょう。
ケトジェニックダイエットは、体調を見ながら実践することが大切になってきます。
ケトジェニックダイエットが向いている人
ケトジェニックダイエットは、日頃から炭水化物の摂取量が多いことで太ったため減量したいという人に向いている といえるでしょう。
反対に、食事制限が苦手な人は向いていません。
また、<ケトジェニックダイエットの注意点>で説明した通り、体質によっては不調を引き起こす恐れがあるため、ケトジェニックダイエットに興味を持ったら、自分に合うかを見極めてから実施してください。
ケトジェニックダイエットを実践したセレブ
ケトジェニックダイエットは4~5年前に海外で話題となった減量法なのですが、その後再び注目が集まっています。
なぜ今注目が集まっているのかというと、セレブたちが実践して減量に成功したと公表しているからです。
ケトジェニックダイエットを実践したセレブには、次のような人がいます。
コートニー・カーダシアン
お騒がせセレブであるキム・カーダシアンを妹に持つコートニー・カーダシアン。
エンターテイメント系メディア・Peopleによると、コートニーはケトジェニックダイエット中、次のような食生活を送っていたようです。
“I would make broccoli rice or cauliflower rice to at least feel like I was eating some carbs,” she wrote on her blog. “Then I would add protein, so I often ate grilled chicken and fish over broccoli rice, cauliflower rice or spaghetti squash. I mixed in roasted vegetables, fresh salads with homemade dressing, and smoothies made with avocados and bananas.”
(「炭水化物が食べたくなったとき、ブロッコリーライスもしくはカリフラワーライスを作るわ」とコートニーはブログにつづった。「それからプロテインを加えるわね。だから、いつもブロッコリーライスやカリフラワーライス、キンシウリの上に、グリルチキンやグリルフィッシュを乗せるの。あと、ローストした野菜と自家製ドレッシングを添えたフレッシュサラダ、そしてアボカドとバナナで作ったスムージーを混ぜて食べていたわ」)
引用:All of the Celebrities Who Have Gone on the Keto Diet(People)
ハル・ベリー
世界的人気女優であるハル・ベリーもケトジェニックダイエットの実践者です。
Peopleによると、ハルはケトジェニックダイエット次のように述べていたそうです。
“I don’t really eat pasta, anything with sugar, it’s very much meat-based,” she said. “I eat meat, I enjoy chicken and beef and a lot of vegetables.”
(中略)
“Avocado, oil, coconut oil and I use butter, but don’t have any sugar. So when your body gets trained to burn fats, it’s constantly on fat-burning mode—that’s the secret,” she said.
(「パスタや糖質を含む食べ物は、ほとんど食べないわ。お肉がメインね」とハルは語った。「鶏肉と牛肉、それから野菜を多く摂るようにしていたの」(中略)「アボカドやココナッツオイル、バターは使っていて、糖分は摂らないわ。だから、脂肪燃焼のために体を動かせば、コンスタントに脂肪燃焼モードになるわよ。これは秘密だけどね」)
引用:All of the Celebrities Who Have Gone on the Keto Diet(People)
ケトジェニックダイエットは体と相談してから実施しましょう
いかがでしたか?
ケトジェニックダイエットは、体内のブドウ糖を減らしてケトン体を作り出して脂肪を燃やす方法で減量を目指すダイエット法です。
ケトジェニックダイエット中に摂取できるのは、脂肪分の高い食材やたんぱく質を含む食材で、糖質の摂取は極力控える必要があります。
糖質の過剰摂取が原因で太ったために減量したい人に、ケトジェニックダイエットは向いているといえます。
しかし、体質によっては不調が生じる恐れもあることを念頭に置きましょう。
もしケトジェニックダイエットに興味があれば、自分の体と相談しながら実施してくださいね。